自宅にスタジオ新設 リモート収録や海外とも
綾瀬 マリアさん MARIA AYASE
いわゆる“魅力的な仕事”は、東京に住まないと出来ないかと言うと、そうではない。例えば声優もそう。
「東京に住んでいなくても、声優でいられることを証明できればうれしいですね」
笑顔でこう話すのは、主に洋画や海外ドラマの吹き替え、CMナレーションなどを手掛けている、綾瀬マリアさん。7年前、結婚を機にいわきに移り住んだ。
綾瀬さんは、兵庫県神戸市生まれ。音大の声楽科でオペラを学んだ後、舞台女優として各地を回り、2012年に声優として活動を始めた。
声優になりたいという希望はもともとあったが、回り道をしたのは、「きちんと勉強してからその道に進もうと思った」から。今では、幼い娘の子育てに励みながら仕事と向き合う日々。その中で、変化も感じている。
「出産後に不思議と依頼が増えたんです。娘が運んできたくれたのかと思ったくらい。年齢を重ねて声質が変わり、海外の役者の娘役の声とマッチするようになったことも、プラスに働いたようです」
自身の音声編集の技術を生かし、昨今のコロナ禍で、自宅にスタジオを構えた。リモート収録や海外とのやり取りを含め、仕事の幅を広げることができた。
一方で、「リモート収録が増えたとはいえ、多くはナレーションの仕事。やはり、演技が入ると東京に行かないとだめ。小さな子がいるので、日帰りです」と語るが、「いわきは子育てをしながら、東京で仕事をするのにちょうどいい距離。移動時間も有効活用していますね」。地方での生活を楽しんでいる。
profile
夫と娘の3人暮らし。いわきに来て「絵本の読み聞かせ」をはじめ、日本朗読検定協会の認定講師として、最上位のプロフェッサーの資格を取得、地元のイベントなどに参加している。このほか、地域おこし事業への協力も
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